狭量な感想

先日に続いて、本の感想など。

伊坂幸太郎アヒルと鴨のコインロッカーアヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

みんちゃんがハマって、次々に伊坂幸太郎を買っている。この前に「陽気なギャングが地球を回す」から始まり、「ラッシュライフ」や「オーデュボンの祈り」も読んだ。さて、全般を通してそうなんだけど、伊坂幸太郎って悪役なり負の部分をもった登場人物の描き方がリアル。いや、リアルというよりむしろ、それがあたしの腹の立つツボをぐいーぐいーと押してくるようなヤツらなのだ。読んでると瞬間湯沸かし器の如く、ポー!と怒ってしまうことがたびたび。基本的には「うまく」収まるような話でも、そっちばかりに気をとられているので、読後感が悪い。今回もそうだったなあ、それだけ展開や文章がうまいってことなのか。
とにかく、読んですっきりしないのよね。考えるのはワルモノ(負)のことばかり。なんだろう、理不尽的要素だったら「バトル・ロワイヤル」にもあるけれど、あれは両方の真情が見えるからか。それから、これまで読んだ作品も同様だけど、なんというか「(あたしの思う)ハリウッド映画的展開」だなと。あ、あたしの思うハリウッド映画って「ダイ・ハード」とか「スピード」とか「ジュラシック・パーク」とかだよ。あのアクションというかハラハラというか展開というか・・・犠牲もありつつ、最後おさまっちゃうとかさ。うまく伝えられない・・・とにかくまあ、そういうところがちょっと目につく。ああ、そんな意味では、ワルモノ(負)側の心情が見えない/理解できない(書いていない)ってところが、あたしの腹立たしさを増すのだ。先に挙げた(あたしの思う)ハリウッド映画って、そのような要素も含んでいるかも。彼の作品は本でなくて映画やドラマであったら、この不快感は払拭されるかもね。もともと、そういうのに向いた表現や構成になっているし。
とまあ、狭量な感想を述べてしまった。伊坂作品については、概ね好意的な意見が寄せられているようだし、こんな変な観点で首をひねっているのはオイラだけかもしれまい。


■今日の晩ごはん  新高円寺食堂にて
お好み焼き(イカ玉と納豆ニラ玉)/豆腐と油揚げの味噌汁

午後、来るものが来ず、ぽこっと空いたので早退代休に。読むものがたくさんあり、読書モードは続く。